かもしてるっ!!ブログ

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タラレバ娘にも読んで欲しい 損する結婚 儲かる離婚 は日本という国の日常風景である。

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婚姻届に判を押すのは、借金の連帯保証人になるより恐ろしい。


これは一般的な人からは何を言っているのかと思われるかもしれない。
しかし、一部の気付いてしまった人たちはこの帯を賞賛している事だろう。


この帯がついている本とは「損する結婚 儲かる離婚」という本だ。
著者は金融日記などで知られる藤沢数希さん
今日はこの本を紹介しようと思う。


先に言っておくが、ここから先は感情を差し引いてドライに書いていく。
もし、まだそんな現実など知りたくないという人はここで引き返してもらった方がいいだろう。


きっとその方が、幸せに生きていけるかもしれない。
ここから先はまさに、知らぬが仏だ。




それではいってみよう・・・

1、大人の男女にとっての最大のリスクは・・・・

大人の男女にとって最大のリスクは「結婚相手」である。

ごく一般的な結婚生活を送っている人、そしてまだ結婚をしていない人にはなんのことか分からないかもしれないが、これは多分に真理を含んでいる。
日本という国の現行の結婚制度および離婚の仕組みについて、感情を一切挟まずに紐解いていくと見えてくるのは上のふたつの言葉そのものだ。
男と女が愛し合って結婚する。そこには必ず感情があり、甘い愛を囁きあっている限りこんな本は必要ないと思うかもしれない。


しかし、遠い国の万が一に起こるようなテロの話では無い。ごくありふれた日常なのだ。
その意味で、全ての男女にとってこの本は必読書だと私は思う。


本書の中でも触れられているが、世間一般的には離婚に掛かるお金の一番大きなものは「慰謝料」であるという考え方。
これは間違っている。そして多額の金銭を払わなければいけなくなるのは、必ずしも有責性の高い人間ではないのだ。
そこにはコンピと言われる「婚姻費用」という制度が関わってくる。
離婚において慰謝料よりも気をつけるべきはコンピであり、この仕組みが男女を泥沼に落としていくのだ。


例として本書のまえがきを引用してみよう。引用中の彼とは筆者の友人である中国人の青年である。

彼はとても真面目なタイプの男だったので、妻の浮気が許せなかった。彼から離婚を切り出した。すると、彼の奥さんも、それを認めた。そして、彼女は家を出て行ってしまった。しかし、彼の長い苦悩はここからはじまるのだった。彼に何が起こったのか? 結論から書くと、彼はこれから長い裁判を戦い続けることになり、最終的に離婚を勝ち取るのだが、それまでに2年間もの月日と膨大なエネルギー、そして大変な金額を費やすことになった。いったんは離婚を認めた妻だったが、その後にやっぱり離婚しないと言い出したのだ。そして、驚くことだが、彼は、この出て行った妻──どこに住んでいるかもわからない──に家庭裁判所から毎月37万円もの支払い命令を受けていた。これは彼の当時の年収の3000万円から家庭裁判所が計算したものだ。2年間、毎月37万円を支払い続けることになった。最終的に、彼は奥さんに3000万円もの解決金を支払うことにより、離婚裁判の最中に和解で離婚した。彼にはひとつも落ち度がないにもかかわらず、浮気をした妻に離婚してもらうために、37万円×24カ月=888万円、そして、和解の解決金3000万円で、合計3888万円も支払ったのだ。弁護士費用を含めれば、これは彼が別居をはじめたときのほぼ全財産に相当する金額になった。
 ここまで読んだ読者は、そんな理不尽なことがあるのか? 中国人の彼は、きっとその元ホステスと弁護士に上手いことやられたに違いない、と思ったことだろう。しかし、彼と同じ状況──夫の年収3000万円で妻は専業主婦──に立たされ、日本で離婚裁判に巻き込まれれば、誰もが似たような金額を払うことになるのだ。彼の離婚係争は、決して特殊なケースではなく、日本の司法慣習に完全に則っている。つまり、同じぐらいの年収があれば、誰もが陥る可能性のあることなのだ。

なんだこれはと思うかもしれないが、これが日本という国のルールなのだ。
コンピとは収入の多い方が低い方の生活を維持する為に支払わなければいけないお金だ。


多少の有責性は考慮されるらしいが、多い方から少ない方に払うという根本は変わらない。
つまり、自分がなにも悪くなかったとしても、収入の多い方が少ない方にお金を搾り取られ続ける仕組みになっているのだ。


みなさんはあまりなじみがないかもしれないが、この制度を悪用している人は実は多かったりする。
この制度を巧みに使用して結婚と離婚を繰り返している女性を僕も知っている。
また、相手を有責配偶者に仕立てあげて、コンピだけをずっと受け取り続けている人も知っている。
有責配偶者からの離婚は以前よりしやすくなったとはいえ、未だにハードルが高い。
だからこそ、相手を有責配偶者に仕立て上げてお金を搾り取り続けることができるのだ・・・


気をつけて欲しい、思っている以上に世の中にはこんな話転がっているのだ。


ちなみに離婚にまつわるお金の話をするとどうしても男性が女性に払うイメージを持つ人がいるが、そんなことはない。
日本という国では法の下に男女は平等だ。ここまでの話も男女を入れ替えればそっくりそのまま女性にも当てはまる。


繰り返すが、日本という国では男女は法の下にあくまで平等なのだ。

2、結婚という名の債権

本書の中で藤沢さんは結婚とは債権であると述べている。


少し引用させて頂こう。おそらくその方が分かりやすい。

結婚という金融商品は、毎月、婚姻費用というクーポンが貰えて、離婚成立時(満期)には財産の半分が手に入る債権そのものなのだ。この言わば「結婚債権」の価値は、次の式から計算できる。

結婚債権の価値=離婚成立時までの婚姻費用+離婚時の財産分与+慰謝料

この債権を奥さんがタダで手に入れたわけだ。

この引用部分では債権者が奥さんになっているが、状況により逆転する。


このように結婚というのは債権譲渡の契約を締結することとなんら変わりないのだ。
特に収入が多い方は気をつけて欲しい。極端に相手と収入差があるといざという時には有責性とは関係なく相手にお金が流れてしまう。
婚姻届という紙切れ一枚でとんでもない金融債権のやりとりをじつは行っているということだ。


女性も人ごとではないだろう、最近は活躍している女性も増えてきている。これ自体は非常に喜ばしいことだが、そういう女性が結婚する時にも気をつけなければいけなくなっているということでもある。確か本書のなかでも触れられていたと思うが、最近では20代の平均年収は女性の方が高くなっているのだ。これはサービス業に従事する人が多く、サービス業においては特に女性が結果を出している為、男女の年収の逆転が置き始めているらしい。男性だけの話では無くなっているのだ。


この債権を巡って泥沼に陥っているのは一部の人間だけでは無い。こんな話は調停離婚、裁判離婚だけの話でしょと思っている人は大きな間違いである。日本で行われている離婚の大半が本人同士の協議離婚だとは言われているが、協議離婚だから円満に解決しているわけではないということも付け加えておこう。協議離婚であっても弁護士の介入、親族の介入、本人同士の軋轢によってこの債権を巡る泥仕合は日々行われているのだ。

3、結婚制度の変化が起こるのかもしれない

一夫一婦制というのは誰が考えた仕組みなのか考えたことがある人はいるだろうか。
これは実はキリスト教の影響を大きく受けている制度なのだ。これについて語ると超大作になってしまうのでここでは割愛しよう。
この点についても本書の中では語られているので是非読んで頂きたい。


この制度自体が普通だと思われているが、本当にそうなのだろうか。
実は為政者にとって都合の良い制度なのではないか。
真に自然な状態がどんな状態なのかを考えると答えが出てくるのかもしれない。


思うことはこの一夫一婦制自体が無くなっていく、もしくは形を変えていくのかもしれないということだ。
諸外国のように婚外子も大いに認められればいいと思うし、認められるべきだと思う。
そうすれば子どもが欲しいという女性の選択肢も増えるし、子どもも増えるかもしれない。
そのためには真の意味での子の為の福祉政策が必要になってくるのだろう。


この事自体は日本という国にとって実は新しいことでは無い。
昔の日本は子は村の子であり、みんなで育てていくものだった。
父と母はいたようだが、本当の父であり母でないこともあったのだ。
子は村の宝、婚外子も村の中で育てていたという歴史を振り返ってみても日本にとっても普通のことだったのだ。

一夫一婦制は誰の為の制度だったのか・・・

4、まとめ

まとめられるかどうか分からないが・・・・
とにかく、この本が提示してくれた結婚と離婚に対する新しい視点は重要だと思う。
離婚という現実にぶち当たる前に知っておいた方が良いし、できれば結婚する前に読んでみた方がいい。
それは結婚と離婚はあくまで金融工学的に考えなければいけないということではなく。
こんな見方もあるんだという新しい視点を自分の中にもつという意味で。


冒頭に知らぬが仏と書いたが、知っておいた方が良いこともある。
ここまで読んで頂いた方はその一部を知ってしまった。
知ってしまったのなら全部読んでみて欲しい。おすすめだ。


結婚というものを否定するつもりは全くない。
僕自身も一度は結婚した人間だ。
もしチャンスがあればまた結婚をするかもしれない。


でも、これからは婚姻届だけに縛られない多様な家庭が認められるといいなと思う。
それぞれの形での幸せな家庭が増えることを願ってやまない。



明日もよろしゅう。